出来ればお世話になりたくない交通違反の取り締まり。ルールを遵守するのが一番だが、納得のいかない取り締まりがあるのも事実。そんな交通違反の取り締まりの現状を、データで確認してみよう。
警察庁の資料によると、平成28年中における車両等の道路交通法違反(罰則付違反)の取締り件数は673万9199件。内訳は
1位:最高速度違反:161万1238件
2位:一時停止違反:133万89件
3位:携帯電話使用違反:96万6542件
4位:通行禁止違反:75万7252件
5位:信号無視:74万1048件
といったところ。
近年、スマートフォンの普及により画像注視に起因する交通事故が増加傾向にあるため、携帯電話使用等の取締りはとくに力を入れているとのこと。駐停車禁止違反は、25万4316件で、信号無視の方が3倍近く多いというのは、かなり意外な結果だった。
悪質な違反では、酒酔い・酒気帯び運転が2万6423件、無免許運転が2万1317件。無免許運転又は飲酒運転を検挙した場合は、違反者の周辺者に対する捜査も行い、違反を助長する周辺者に対する取締りも積極的に行い、再発防止に努めている。
高速道路に限っていえば、最高速度違反が全体の71.1%で、39万8345件。以下、車両通行帯違反が6万7890(12.1%)、車間距離不保持が6690件(1.2%)といったところが続く。恐ろしいのは、積載違反の837件(0.1%)と並んで、酒酔い、酒気帯び運転が326件(0.1%)、無免許・無資格運転が788件(0.1%)もあること!
先日の東名高速での走行妨害・追突死亡事故や、高齢者ドライバーによる逆走など、新たなリスクも顕著になる中、取り締まりのための取り締まりではなく、何より安全最優先の取り締まりのあり方を、研究し直す時期にあるのかもしれない。なお、死亡事故の原因となった交通違反は下記のとおり。
1位:安全運転義務違反 1963件
2位:歩行者妨害等 252件
3位:スピード違反 199件
4位:通行区分違反 192件
5位:信号無視 119件
運転するときは、細心の注意で、無事故無違反を心がけたい……。